楽な姿勢でお読みください

忘れっぽいので、未来の自分への申し送り事項。主に読書感想文を書きます。

書を捨てよ、ブログを書こう 「黄金のアウトプット術」成毛眞

 

 

あなたは本を読みますか?

藤原和博さんの「藤原和博の必ず食える1%の人になる方法」によると、本を月1冊読む人は「1/8の人」になれるそう。

では、読んだ本を仕事や趣味に役立てるなどアウトプットできていますか?

 

この本の著者、成毛眞さんは「HONZ - 読みたい本が、きっと見つかる!」という本のレビューサイトを運営されている方。このサイトは「厳選された読み手が、何冊もの本を読み、そのなかから1冊を選び出して紹介します」とうたっており、ここに来ると必ず読みたい本が見つかるんですよね。

 

この本は、本をたくさん読むものの、イマイチ自分の血肉にできていないという人にオススメです。

さらに、アウトプットしたもので「稼ぐ」ということまで目指しています。

 

いま、「AIに奪われる仕事、奪われない仕事」が話題になっています。著者によると、「編集」を要する仕事は奪われないといいます。

 

編集と処理の違いとは、

 処理:ルールに則って何かすること

 編集:ルールに則り、その上で、その結果を受け取る側のことまで考えて、アウトプットすること

 

 

最近、洋服のセレクトショップに行くと、ジャムや器、本が並べてあるのを見たことがありませんか?

ここに「編集」の力が入っていると考えます。

単に洋服を売るだけではなく、

「洋服と食があるスタイルを提案する」という「編集」の力が入ってるんじゃないか。ものが売れない時代、より「編集」が必要とされているのも頷けます。

 

では、AIに奪われない仕事になるには?

・・・アウトプットし続けること

これに尽きます。

アウトプットしないとアウトプットの上達が遅れる。

アウトプットしない理由の言い訳として、「アウトプット慣れしていないこと」を挙げる人が多く、これでは一生アウトプットが上達しないそうです。

例えると、「英語を習っているけど頑なに英語を話す場に行こうとしない」「免許取り立ての初心者ドライバーで路上に出たくない」人。

 

SNSで「いいね!」をすることがアウトプットになり得るか?

それは「NO」。

誰かの添え物に過ぎないと書いてありドキっとしました。

単なる「あいづち」ですね。

 

社会人にはどういうアウトプットが適しているかというと、800文字程度で書く、本の「紹介文」が適しているといいます。

 

成毛さんがHONZのレビュアーに書評のいろはを教える時は、「800文字ではなく100×8文字を意識してもらう」そう。

100×8の中身とは、

 

第1ブロック その本の印象の紹介。この文章を読む人に、どう思ってほしいかを伝える。面白い本だなと思って欲しければ、100文字を使って面白い本であることを伝える。

 

第2ブロック その本の読者の想定。ここに自分が当てはまると思った人は、その先も読み進めることになる。

 

第3ブロック その本の中身の紹介1。100文字で、その本の面白さはどこにあるのか、その全体感を伝える。歴史の本なのか、科学の本なのか、このブロックを読めば、ざっと把握できるようになる。

 

第4ブロック その本の中身の紹介2。第3ブロックで書ききれなかった内容。できれば、第3ブロックと別の側面をピックアップできたら良い。

 

第5ブロック その本の具体的な中身の紹介1。つまり引用。代表的かつ特徴的な文章を引用し、なるほどこういうことが書いてある本かと思ってもらう。

 

第6ブロック その本の具体的な中身の紹介2。第5ブロックで書ききれなかった内容。

 

第7ブロック 著者の具体的な紹介。第2ブロックあたりで著者については紹介すみのはずだが、文章を紹介したあとなので、それを書いた人はどんな人?と関心を持った読者へのサービス精神を発揮する。

 

第8ブロック なぜこの本を取り上げたのかのダメ押しをする。面白そうだな、読んでもいいかなと思っている読者に、読みたい、読むと決断させるためのブロック。

 

 

800文字だときつそうですが、100×8文字だとなんだか書けそうな気がしますよね。このブログもこの構成を意識してみました。

アウトプットは文章にとどまりません。

スペイン、バスク州にあるサン・セバスティアンは美食の都と知られており、そこには「美食クラブ」と呼ばれるサークルがあり、お客さんが厨房に入り、料理というアウトプットを楽しんでいるそう。インプットで飽き足らなかった人が、アウトプットを通じて文化の形成に貢献したと言えるそう。

日本ではSNSがさかんで、外食時の写真をSNSで公開するのはもはや一連の「儀式」と化していますよね。

そこから一歩踏み出し、プロの食をインプットして、同じようなものや少し違ったものをアウトプットすることで、インプットの意味が違ってくると著書は言います。

 

単に見た目が美味しそうな料理を、どう素材を組み合わせるか、どういう調味料を使うか、どんな盛り付けをするのか。途端に情報量が変わってくるとあります。

 

最後にこの本に書いてあってドキッとした一文。

この本を手にしている時点で、インプットはもう十分に足りている」。

現在はインプット過多の時代。さらにアウトプットをする環境が十分に整っていrます。ここでアウトプットしないのは宝の持ち腐れ、と。

今すぐにでも「書を捨てよ、ブログを書こう」と思える一冊です。