楽な姿勢でお読みください

忘れっぽいので、未来の自分への申し送り事項。主に読書感想文を書きます。

言葉の体質改善をしよう「自分の言葉で語る技術」川上徹也

 

自分の言葉で語る技術 (朝日文庫)

自分の言葉で語る技術 (朝日文庫)

 

 あなたは、自分の言葉で語ることができますか?

こんな悩みはありませんか?

・自分の考えをうまく伝えることができない

・自分の意見がうまく言語化できない

・感想を求められても平凡なコメントしか言えない

 この本の作者、コピーライターの川上徹也さんによると

このような悩みが生まれてしまうのは、

「自分の言葉」を意識してこなかったからだそうです。

 

先日、会議で自分が作成する資料を説明する機会がありました。

資料には載っていない、付加情報を伝えようとしたんですが、

その「付加情報」が何なのかが

自分の中でしっかりハラオチしないまま話してしまった。

話しながら、冗長になってしまい、

ものすごく、「借り物」の言葉を使っている感じがあり

話した後に後悔してしまった。

 

借り物の言葉を使わずに、

自分の言葉で話せると

自分の本心と言葉が一致させたら

気持ちよく生きられるのではないか。

 

この本には、

「自分の言葉」で語るための練習tipsが載っています。

 

この本は、以下のような人たちにオススメです。 

1.自分の考えをうまく言語化し伝えることができないあなた

2.「自己アピール」が苦手でいつも損をしているあなた

3.平凡なコメントしか言えず人から軽く見られがちなあなた

 

「自分の言葉で語る技術」とは何か。

・「自分の言葉」で語っていると、他人に思ってもらう

・他人から見て「自分らしい言葉」を見つける

・敏腕マネジャーになったつもりで、自分という商品を語る

 これには、驚きでした。

「語る」ための言葉については、他人からどう見られるか、の視点が必要ということ。

「自分の言葉で語る」のではなく、「自分の言葉で語っている」と「思ってもらう」こと。

 

「アイディアのつくり方」という古典によると、

「アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせの何ものでもない」

と断言しています。

 

誰かが語っている言葉であっても、

自分の経験から感じたことや本で読んだ知識などを組み合わせると

「自分の言葉」になる、と川上さんは言います。

 

人の言葉を自分の言葉にする訓練って?

それには、以下のようなものがあります。

・書店で、売れている作家の本をできるだけ多く買ってくる。

売れている作家は、多くの人が心の中でもやもやと思っていることをうまく言語化してくれる場合が多いから。

・片っ端から本を読む。同じことを考えていたという主張には付箋を貼る。

・次に作家の言葉を、自分の言葉にする作業をする。

付箋を貼った「同じことを考えていた文章」に手を入れていく。作家の主張はそのまま置いておく。

・主張を裏付けるために、文中には作者の体験談やエピソードが書かれているはずなので、その部分を、自分自身の経験や人から聞いたエピソードに置き換えてみる。比喩を使っていたら、別の比喩を使って説明してみる。

・テーマを変えてみる。

・結論や主張の部分を、同じ意味でもいいので、別の単語を使ってみる。

このようなエクセサイズを繰り返しているうちに、

自分の意見を組み立てるコツが掴める、と語ります。

まさにこれは読書感想文を書く作業。

 

感情を書かず、状況を書こう。

その他のtipsとして、以下のものがあります。

・気持ちを表す言葉を書かずに、その状況を書く

・五感を総動員する

これは、先日読んだ「超スピード文章術」にもあった、自分の「感情」ではなく、その「状況」を書くというのと同じ!と思いました。

 

感情を使わないという点では以下のtipsもあります。

・勝手に感動したり号泣したりしない 

うまく言えないけど、なんだかよかった→感動フォルダ

なんだかよくわからないけど、涙が出た→号泣フォルダ

 

これは、どこがどうよかったのかわからない。

深く考えずにフォルダに投入しない。

読む人はその中身を知りたいのだから。

 

より考えを深めるために

高度なtipsとしては、以下のようなものがあります。

・自分の意見、反論を経て、より高次な意見を展開する

(自分の意見=テーゼ・つぼみ)

借り物の意見を使わずに自分の言葉を使うべきだ。 

(それに対する反論=アンチテーゼ・花)

自分の言葉が簡単に出てこないからこそ借り物の言葉を使ってしまうのだ。

(次元の高い意見=ジンテーゼ・実)

だったら一度誰かの言葉を借りて、それを自分の頭の中で消化し別の表現にすることで自分の言葉にしよう。

 一度自分の言葉を否定して、

さらに高い次元の意見を作るということは

考えを進化させるためにも必要なことだなと感じました。

 

「自分の言葉で語る技術」で大事なこと。

まとめとして以下のように紹介されています。

 

前提条件

「自分の言葉で語っているかどうか」を決めるのは他人

他人から見て、自分の言葉で語っているように見えることが重要

 

ポイント

1.自分の体験から得た発見を具体的に語る。

2.視点や次元を意識して変えながら語る。

3.語り方の巧拙よりも伝えたい気持ちと少しの勇気。

 

この本で紹介されていたtipsは、

抽象的なものも多く、

正直、即効性は無いかもと感じました。

 

ですが、この本で紹介されていたtipsを日々意識したら、

自分が発する言葉がじわじわと体質改善されていくのではと感じます。